歯根嚢胞?

明けましておめでとうございます、井関です。
年末年始は如何お過ごしだったでしょうか?

今回は、根の先の黒い影はなんなのか?という話です。

根の治療で当院を訪れる方は、大きさに違いはありますが、 このレントゲンのように根の先に黒い影があることが多いです。

これをよく「歯根嚢胞」が出来ていて、根の先に膿が溜まってますよ。などと言ったりします。
多くの患者様が以前にかかっていた歯医者でそう言われたので、 膿を出して治してほしいと言います。 そして、治療が終わると「膿は出ましたか?」と聞きます。

これが、実はちょっと違うんですよね。
この黒い影は全て、歯根嚢胞ではありません。

50% 歯根肉芽腫
35% 根尖周囲膿瘍
15% 歯根嚢胞

と言われています。歯根嚢胞は実はたった15%なのです。

歯根肉芽腫は膿が溜まっていません。
根尖周囲膿瘍と歯根嚢胞には膿が溜まっています。
なので、膿が溜まっているのはおよそ50%程度で、全てではないのです。

また、黒い影が直径10ミリ以下では、レントゲン上では歯根肉芽腫なのか、 根尖周囲膿瘍なのか、歯根嚢胞なのかはわからないものです。

しかし、このレントゲンのように黒い影を白い線で囲んでいる場合は、間違いなく歯根嚢胞です。
こんな風になっていても、ほとんどの症例で根管治療で完治できますが、 やはりこの黒い影が更に大きい場合には、根管治療のみでは治らず、歯根端切除などの外科処置が必要になる場合もあります。

それでもいきなり抜歯ということにはなりませんので、 この様な症状をお持ちでお悩みの方、ぜひ一度ウケデンタルオフィスにご連絡ください。

それでは、今年一年も宜しくお願い致します。