側枝って何?

こんにちは、井関です。

歯の中には、神経と血管の通り道である「根管」が存在します。
そして、根管には必ずと言って良いほど横道が存在します。
それを「側枝」と言います。

今回はこの「側枝」について話をしたいと思います。 イメージとしては下の図の様な感じです。

まず、なぜ側枝があるのかというと、歯が出来るときは歯の頭(歯冠)からできていって、だんだんと根っこ(歯根)が出来ていきます。
その過程で血管の一部が取り残されてしまった部分が側枝になるのです。

イメージ図でははっきりと分かる様になっていますが、実際は側枝はものすごく細くてマイクロスコープを使っても見えません。
(稀に太い側枝もあって見えることもあるそうですが、私は一度も見たことはありません)通常であれば、側枝があろうと問題がないのですが、そこが感染ルートになってしまうと厄介なのです。

では治せないのでしょうか?

下のレントゲンをご覧ください。

黄色矢印の先に黒い影があります。ここは通常出来る根尖病変ですが、 根の横の赤矢印の先にも黒い影がありますよね。ここが側枝からの感染による病変です。

おそらくですが、青矢印のあたりのどこかに側枝があるわけですが、レントゲンでも見えません。 ちなみにこのレントゲンは治療後です。根管内はMTAセメントで根管充填されています。
側枝があると思われるところに何も入ってないことが分かるかと思います。
そうです、側枝は一切触ってないのです。

側枝を触らなかったけど、どうなったのでしょうか?
11ヶ月後のレントゲンです。

矢印の先にあった黒い影(病変)は無くなっていますね。

結論は、主である根管をしっかり治せば、副である側枝、及びその先の病変は自然に治るというわけです。