巨大な穴 – MTAセメントによる抜歯回避

こんにちは、ウケデンタルオフィスの井関です。

先日、大学時代の友人から診て欲しい患者様がいると紹介を受けました。

友人曰く、その患者様は某大学病院で根管治療をしたのち歯を抜いた方が良いと言われたそうです。しかし、歯を抜きたくないので自宅の近くの友人の歯科医院をセカンドオピニオンで訪れたそうです。

友人は、仮の蓋を外したら出血がすごい為、何も見えずどういう状況か分からないくらいだったそうです。おそらく根の中で穴が空いてるのではないか?と言い、自分では治すことができないので、「井関、どうにかならないか?」と紹介を受けました。

このような紹介を受けるとテンションが上がります。しかし、そのプレッシャーは半端ないです。治せなかったら、井関はたいしたこと無いなと言われてしまうからです。

その患者様がいらっしゃいました。

仮の蓋を取ってみると、やはり大出血で何も見えませんでした。なんとか出血を止めると、根の中に巨大な穴が空いておりました。そして、得意な?大好きな?MTAセメントでこの穴を埋めました。

そうすると度々歯茎が腫れていたと言ってた部位が、一切の症状がなくなったと言っていただけました。

その後、樹脂で土台を立て、ジルコニアというセラミックの被せ物をしました。

正直、ここまで歯に穴が空いていれば抜歯という選択肢が普通だと思います。

しかし、MTAセメントを用いればもしかしたら治癒する、もしくは延命が出来る可能性は高いと思います。

逆に、MTAセメントが無ければ出来ない治療だと思います。

実際どれくらいもつのか?という予後に関しては現時点では申し上げることは出来ませんが、同じ様な状態の方がいらっしゃても、いきなり抜歯という事態は避けられると思います。

やはりMTAセメントは素晴らしいです、凄いです。