サイナストラクト(フィステル/歯茎にできる膿の袋)

こんにちは、井関です。

最近、歯茎が腫れているという患者様が続けざまに来院されました。
その中の、お一人の方のお口の中を見るとこのような状態でした。

この歯茎が腫れているのは炎症が起きているからなのですが、
腫れの真ん中によく見ると小さな穴が開いてます。これは何かというと、根の先に溜まった膿が歯茎から出た穴なのです。なのでこの膨らみを押すと膿が出てきたりします。

以前はこれを「フィステル」と言っていましたが(今でもこの言葉を使う先生もいます)、 最近は「サイナストラクト」という言葉になりました。
歯内療法の世界では、もうフィステルという言葉は使わなくなりフィステルと言うとちょっと 恥ずかしい感じです。
ちなみに日本語では瘻孔(ろうこう)と言います。

特徴的な症状としては、
強い痛みがあることは稀で、大抵体調が悪い時や疲れている時にズーンと重い感じがする。
腫れが出たり消えたり(小さくなったり)する。
変な味がする。

では、どうやったら治せるのかというと、
通常の根管治療を行えば治ります。
根の先の膿の原因は、根管内に細菌がいるからで、その細菌を除去してしまえば自然にこの サイナストラクトも消えます。

1回目の根管治療後、3日ほどで歯茎の腫れ(サイナストラクト)は消えましたので 2回目で根管治療は終了です。
右の写真は根管治療を終えた後、土台を立てたところです。
はっきりと治っていることがわかると思います。

術前のレントゲンです。
赤の矢印の先の白いのは、サイナストラクトから造影性のある棒を入れています。
これによって膿がどこから出てくるか見つけることができます。
そうすると、一番奥の歯の根の先に向かっていることがわかります。
根の先が黒くなっている所に膿が溜まっています。

根管充填後のレントゲンです。
MTAセメントで充填しています。
根の先端まできちんと入っていることがわかると思います。
まだ根の先の黒い影は無くなっていません。
これがもとに戻るには6ヶ月から1年くらいかかります。

最後にセラミックの被せ物をして終了です。
治療回数は5回でした。

同様の症状でお悩みの方、是非ウケデンタルオフィスにご相談ください。

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