専門医、認定医、指導医とは?

こんにちは、井関です。

もう今年も終わりですが、コロナのせいで大変な一年でしたね。
早く収束するか、確実に効いて安全なワクチンが出てきてほしいです。

先月の話の続きになりますが、私は先月で専門医を受ける資格を得ました。
さて、専門医と似た言葉で、認定医、指導医というものがあります。
これは一体どういうものなのでしょうか?

話は一度置いときまして、例えば医科の世界なら、外科、内科、脳神経外科、眼科、 耳鼻咽喉科、皮膚科、心臓外科、胃腸科、心療内科、など色々な科があることは、 ご存知だと思います。
では、歯科の世界はどうでしょうか?
何科があるかご存知でしょうか?
歯科、口腔外科、矯正科、小児歯科はよく診療所に書いてあるのを見るかと思います。
何故これらを見かけるのかというと、歯科医院、診療所で掲げて良い標榜はこの4つ だけなのです。
たまに、インプラント科とか審美歯科と掲げている医院もありますが、 あれは実はダメなんですよね。

でも標榜はしてはいけなくても例えば大学なら実はたくさんの科があります。
歯周病科、保存科、インプラント科、補綴科、放射線科、歯科麻酔科、歯内療法科、 そしてマタニティー歯科、いびき科という科まであったりします。
そして学会もたくさんあります。
補綴歯科学会、顎咬合学会、歯周病学会、障害者歯科学会、口腔外科学会、老年歯科学会、 口腔衛生学会、小児歯科学会、審美歯科学会、インプラント学会、そして私の所属する 歯内療法学会、顕微鏡歯科学会など、様々な学会があります。
その中で、専門医、認定医、指導医があります。
ちなみにこの中で一番簡単になれるのが認定医なのです。
(それでも簡単ではないのですが)
次に、専門医、指導医と続きます。(たいていの場合)

認定医、専門医、指導医がある学会もあるし、無い学会もあるし、 在籍何年以上とかも学会によって異なりますし、学会によっては大学に在籍してないと指導医になれなかったり、症例何ケース提出とかも全く違うので、比べるのが非常に難しいです。

では歯内療法学会はどうでしょうか?
まず私は、専門医を目指してると言ってますが、じゃあ認定医を持ってるのか?
といわれたら持ってないのです。

何故か?

歯内療法学会も以前は認定医があったのですが、なくなってしまい専門医と指導医しか 無いからなのです。

さて、それで皆さんが知りたいのは認定医、専門医、指導医は凄いのか?治してくれるのか?
ということだと思います。
まず一言、こういう資格を持っていなくても凄い、ゴッドハンドな先生はたくさんいます。
私の最も尊敬する先生も持っていません。

うちの院長もインプラント学会に所属していません。
しかし、インプラントするのに 骨の造成や歯肉の移植がここまで出来る先生は身内贔屓ではなくほとんど見たことがありません。
なので資格を持っていないから下手ということはないです。
逆に資格を持っているからといって、ものすごく上手いとは言えない方もいます。
しかし、ひとつの目安にはなるかと思います。

最後に難しいのが、保険治療だと治せるか治せないか微妙なケースはどんな資格がある先生でも治療しない、すなわち抜歯を選択するしかないのです。
残念ながら国民健康保険では、とりあえずやってみてダメなら抜歯というのはやってはいけないことになっていますので。

もう一つ、これは自費治療でもですが、
資格を持っている先生はある程度成功が見込める治療を確実にしとめる術を持っていると 思います。
しかし、逆にありがちなのが、勉強している先生ほど論文などで、このケースはこれくらいの成功率というのを知っているので、難しい治療は最初から手を出さない事もあります。
この判断が先生、先生によって違うんで難しいんですよね。

当院でも、勿論全てのケースが治せるわけではありません。
しかし、出来る限り自分の歯を残すことに来年もスタッフ一同全力をあげて頑張ります。