こんにちは、井関です。
口の中のできもので一番多いのは口内炎だと思いますが、口内炎に関しては数日で消える事がほとんどです。
以前にもブログで書きましたが、根の病気でサイナストラクトという歯茎にできる膨らみがあります。
(サイナストラクトは以前はフィステルと呼ばれてましたが、今はその様な呼び方はしないようになりました)
サイナストラクトは歯茎や歯の周りの骨の中に溜まった膿が出てくる道で、歯茎が腫れます。
通常、あまり痛みもなく、体調が悪くなると出現し、数日して体調が復調すると消えます。
なので、出たり消えたりします。
だいたい下の写真くらいの大きさの膨らみ(直径3ミリくらい)ができる事が多いです。
この写真は前歯なので、自分で見たり気づいたりする事が多いですが、上の奥歯にできると自分では気付かない事もあります。
もう少し大きくなるとこんな感じです。
これくらいになっても根の治療を1、2回すれば消えて治ってしまいます。
しかし、先日今までに見たことのない大きさのサイナストラクトに出会いました。
これにはびっくりしました、およそ1センチ!
正直、これを通常通り根管治療すれば治るのかな?と考えました。
なので、根の治療と同時に外科的にこの膨らみを切って取ってしまおうかと思ったのですが、
患者様もお時間が無いとのことだったので、1回目の治療は根管治療のみで終えました。
すると一週間後、こんなに膨らみは小さくなりました。
麻酔して外科的に切って取らなくて良かったです。
痛みも出たかもしれないし、傷跡ももしかしたら残ったかもしれないので。
これでもう一度根管治療を行いました。
それから2週間後、ほぼ完全にサイナストラクトは消えました。
あんなおおきな膨らみが、根の中をたった2回治療しただけで消えてしまうんですよ、凄くないですか?
細菌感染が起きているから、ああなったわけで、細菌を除去、死滅させれば治るのです。
決して外科的に何かをしなくても、身体が勝手に治してくれるんですよね。
ちなみに今回の治療では麻酔もしませんでしたし、お薬を飲んでもらう事もなかったです。
人の身体って凄いと改めて実感しました。