審美的な前歯のインプラント
前歯のインプラントは当然のごとく審美性が重要視されます。しかし、審美的結果を出すことは非常に難しいのです。なぜならば、前歯をなんらかの理由で抜歯した後、歯の外側の薄い骨(平均0.7mm)が吸収し骨が内側にへこむため、インプラントを設置する位置が元々の位置より内側上方になり、最初に存在していた歯の形態より長くなるからです。
それでは歯が長くならないためにどうしたらいいか、ということになりますが、ひとつには歯を抜いてすぐにインプラントを設置するという選択肢があります。ただし、その時は良い状態であっても、インプラント周囲の組織(骨、歯肉)が脆弱な場合、あとで歯茎が退縮してしまい歯が長くなります。これを防止するために、術前のCT撮影で精密に検査し、将来の予知性を検討します。
歯の周囲の組織が脆弱な場合や、歯を抜いて時間が経過している場合には必ず骨や歯肉は吸収しているので、審美的な状態に回復させるには骨や歯肉を元の状態まで回復させる必要があり、それには骨再生療法や歯肉移植が必要です。
下図はメンブレンを使用した場合の骨の再生とインプラントの同時埋入の例です。
実際の症例
30代女性、インプラント
前歯の治療を希望されご来院。残念ながら左上前歯1本に大きな虫歯があり抜歯となり、インプラント埋入とGBR、歯肉移植を行いました。
上顎4前歯オールセラミック装着。期間1年半。
当院は、この高難易度と言われる前歯のインプラントの症例も豊富です。
この他のインプラントの症例は、こちらでご覧頂けます。
インプラントとは?
インプラント治療は、右図のように抜け落ちた歯の変わりにチタンを使用した人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療です。義歯やブリッジに比べて非常に安定しており、長期的な歯の保存に有効です。機能的、審美的にも違和感がなく、患者様の満足度も高い治療です。
チタンのスクリュウタイプインプラントは1952年にスウェーデンで研究開発が始まり、約10年の基礎研究の後、1965年より臨床応用が開始され、日本では1983年より臨床応用が開始され、現在に至ります。
元々、インプラント治療は無歯顎患者(総入れ歯の人)を適応とし、食物を咬むという機能回復を中心に考えられていました。しかし90年代に入り、部分欠損(部分入れ歯、ブリッジ)にも応用されはじめ、機能だけでなく、インプラント周囲の骨移植や歯肉移植による審美性が追及されるようになりました。さらに2000年以降はさらなる審美性の向上、治療期間の短縮、移植のいらない低侵襲な手術、など、さまざまなインプラント治療の方法が台頭しています。
治療の質をより高める技術
インプラントは決して簡単な治療ではありません。一般に15年生存率が90%以上とされるインプラントも、正確な位置・角度への埋入、顎骨の状態、装着する義歯の質、メンテナンスの有無などによって寿命は全く異なってきます。
当院では、CTやレントゲンによる骨量や骨格の把握、綿密なシュミレーション、オステルによるインプラントの固定度の判定など、様々な取り組みによって治療の質の向上に努めています。
より早く、より美しく
現代のインプラントは、機能的なだけでなく、より早く、より美しく、を求められます。高い技術と正確な適応の診断が求められる早期負荷・即時負荷インプラントの症例経験も豊富です。 これらの技術は患者様の痛みの軽減、治療期間、来院回数の短縮を実現し、さらに歯肉や骨の退縮を避けられる審美的なメリットもあります。
審美インプラントについて、詳しくは下記リンクをご覧下さい。
オランダヒルズインプラントセンター
当院で使用しているインプラントシステムについて
・ザイブインプラントシステム
ザイブインプラントの開発はフリアリット、更にはテュービンゲン大学(ドイツ)のProf.Dr.W.Schulteらを中心に1974年から開発された「FRIALITテュービンゲンインプラント」まで遡ることができます。
ザイブインプラントは、これまで治療が困難であった無歯顎や骨吸収の進んだ顎堤に対する「機能修復」のための適応だけでなく、「審美修復」の概念で開発されたインプラントシステムです。その中の直径3.0mmのインプラントを使用することで、骨移植を行わずに埋入が可能となるケースもあります。そして、1ピースインプラントのように補綴に妥協することなく審美的な修復を行えます。特にスペースに限りのある上顎側接歯・下顎前歯部に対応できます。
インプラントの治癒期間の短縮を可能にするために大学などを含めたプロジェクトを立ち上げ、生体親和性の高いインプラントの表面性状について研究し、インプラント表面での骨再生に最適な新しい表面性状“プラス”を開発することに成功しました。これは表面にサンドブラスティング処理を施した後、高温で酸エッチング処理を行い、表面に均一な微小凹凸を作り出すことで骨芽細胞の付着を推進しています。
また、他のインプラントシステムから特化している点は既成のジルコニア製アバットメントに対応していることです。一般的なインプラント治療におけるオールセラミックスはアバットメントがメタル製だったため、歯肉が薄い場合や退縮した場合に金属が黒く見えてしまいました。しかし、ジルコニア(酸化ジルコニウム)製アバットメントは、メタルを使用しないため審美性の高い治療を可能にします。
資料提供:デンツプライ三金
・ノーベルバイオケアリプレースセレクト
世界初のインプラントシステムを開発した、スウェーデンのノーベルバイオケア社製リプレースセレクトを導入しています。テーパー形状のフィクスチャーにより高い初期固定を獲得できることや35°の角度付きアバットメントにより、インプラントの傾斜埋入が可能になるため、骨移植なしでインプラントが可能になります。
資料提供:ノーベルバイオケア
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