歯周組織再生療法

GTR法による歯周組織の再生

GTRによる歯周組織の再生

GTRは、1980年代初頭に研究、開発が始まり、1990年代から世界中で広く応用されるようになりました。
メンブレンと呼ばれる、ポリテトラフルオロエチレンから作られた素材を設置することで、失われた歯周組織の代わりに新しい歯周組織を再生させて、歯の支持構造をできる限り元の状態に戻す方法です。

歯周組織の破壊が進行し深い歯周ポケットが形成されている場合、外科手術によってプラークや歯石を除去する治療法があります。これによって歯周ポケットは浅くなり清掃しやすい健康な状態になりますが、歯の支持組織が回復したわけではないため、治療後に歯を機能的に支えることができるかどうかは確かではありませんし、歯肉は本来の位置より低くなってしまうため、歯が長く見えるようなります。


歯周病で破壊された歯の支持組織(歯根膜線維や骨)は、その原因を除去すれば再生しようとします。しかし、患部を清掃した後に何もせずそのまま治癒を待つと、必要な支持組織(歯根膜線維、骨、結合組織)が再生する前に別の組織(上皮組織)が入りこんでしまい、うまく再生しません。
そこでポケットの内部を清掃した後に、メンブレンを設置し、外から不要な組織が進入してこないように防御します。そうするとメンブレンの下の歯の支持組織のゆっくりとした再生・成長が邪魔されることなく進行していきます。

また、GTRは再生療法材として歴史がありますが、テクニックセンシティブといわれており、その効果は術者の技量に左右されます。

エムドゲインゲル


①歯周ポケットの測定
②歯肉の切開
③歯肉の剥離
④歯根表面の清掃
⑤エムドゲインゲルの塗布
⑥縫合

歯周病による炎症が歯肉の奥まで到達し、歯周組織の破壊がひどく進行してしまった場合には、歯周組織を回復させる手術が必要となります。この手術の際に歯周組織の再生を促す材料として用いられるのがエムドゲインゲルです。

エムドゲインゲルの主成分であるエナメルマトリックスたん白質は、歯の発生期に重要な役割を果たすたん白質のひとつです。このたん白質はエナメル上皮が分泌するアメロジェニン・ファミリーのひとつで、歯根形成時にヘルトウィッヒ上皮からも分泌されており、エナメル質の形成だけでなく、セメント質の形成や機能性を有した付着組織の発達に関わることが示されています。
その点に注目してスウェーデンのビオラ社(BIORA AB)が開発した製品がエムドゲイン®ゲルです。 現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、2008年5月現在、世界44ヵ国で使用されています。

GEM21S

今、最も注目されている再生療法材であり、PDGFという細胞の成長促進因子とβ-TPCという基質から構成されています。
GEM21Sは、生物活性タンパク(高純度組み換えヒト血小板由来成長因子rh-PDGF-bb)を骨伝導性基質(β-TCP)と組み合わせた再生医療の原理を用いて開発されました。この完全合成移植システムは分子レベルで事象のカスケード(一つの反応から次々と連なった反応が起こる)を誘発することにより、創傷治癒を刺激するように設計されており、その結果として、骨および歯周組織の再生を促進することのできる生体適合材料です。


・PDGF
生物活性タンパクであるPDGFは体内に存在する主な成長因子の1つであり、医学の分野では創傷治癒剤として安全性および有効性が確立しています。周囲の基質内に細胞を動員し、刺激することで効果を発揮します。動物実験では、骨および歯周靭帯由来の細胞に対するPDGFの走化性、分裂促進作用が立証されています。

・β-TPC
基質成分は骨空隙を充填し、細胞遊走および増殖とその後の基質沈着用の骨伝導性基質となることを意図した超多孔性合成βリン酸カルシウム材料です。この材料は長い間、種々の整形外科的応用において安全かつ有効に使用されています。動物由来の生体材料でないため、感染症などのリスクを回避することが可能となっています。

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