詰め物をした後に歯がしみるのはなぜ?

こんにちは、ウケデンタルオフィス 歯科医師の井関です。

詰め物をした後に冷たいものがしみた経験はありませんか?あれは何で起こるのでしょう?

いくつか原因が考えられます。


①そもそも虫歯が取りきれていない

②虫歯が大きくて、もとから神経にダメージがあった、もしくはもう神経を抜かないといけない状態だった

③歯を削ったあと、およそ1ヶ月くらいは神経が充血していて、いわゆる知覚過敏になっている

④仮の詰め物は熱の伝導性が良くないのですが、金属の詰め物は熱の伝導性が良いのでしみる

⑤実はちゃんと詰め物がくっついていない


①そもそも虫歯が取りきれていない

まず①は論外と言えると思いますが、実は虫歯を取りきれていなくてしみることはあまりないのです。

えー、虫歯が残っていたら痛いでしょ?と思うかもしれませんが、よほど神経に近くない限り虫歯は痛くないのです。

ただし、数年後にまた痛みが出たり、虫歯が再発というか大きくなっていたり、詰め物が取れたりします。

②虫歯が大きくて、もとから神経にダメージがあった、もしくはもう神経を抜かないといけない状態だった

③歯を削ったあと、およそ1ヶ月くらいは神経が充血していて、いわゆる知覚過敏になっている

②と③は非常にありうることです。

②の状態だと、もう神経の処置をしないといけないわけです。

③は歯を削るという行為が行われれば、神経の充血というのは必ず起こります。

しかし充血状態なら、1ヶ月の間にしみるのはおさまります。

問題なのは、②の状態なのか③の状態なのかは、様子を見なければわからないということなのです。

要は1ヶ月待っていただかないといけないわけです。これが、歯科医師にとっても、患者様にとっても辛いのです。待てば自然に治るかもしれないし、早くに神経の処置をした方が良いのかもしれないし、非常に判断が難しいのです。

なので、良くもう少し様子を見ましょうとなるわけです。

④仮の詰め物は熱の伝導性が良くないのですが、金属の詰め物は熱の伝導性が良いのでしみる

④は金属の詰め物、いわゆる銀歯の時は結構な確率で起きます。
特に詰め物を入れた当日は冷たいものがしみることは多いです。

大抵は数日から1週間程度で慣れるというかおさまります。しかし、②や③の状態なのかもしれないので、ここも判断が難しいところです。

⑤実はちゃんと詰め物がくっついていない

⑤の詰め物がくっついていないってあり得ないでしょ?
だったら外れてくるし、と思われるでしょう。

実は、しみる原因の一番がこれです。

え?と思うかもしれませんが、詰め物の一部が付いていれば結構外れないものです。

そして、付いてない部分というのは目に見えない顕微鏡レベルで言えば隙間が空いてます

そこに細菌が入ってくるとしみるのです。

詰め物を付ける時、セメントやボンディングと言われる接着剤を使ったり、さらに良く付くように歯の表面や詰め物の表面に薬剤を塗り接着力を増したりと工夫をします。

そして、根管治療でも必ず使うラバーダム防湿をします。

ラバーダム防湿をなぜするのかというと、歯に何かを付けるという時に、湿度というのは非常に邪魔な存在なのです。

口の中の湿度って90%を超えるのです。

簡単に言えば、サウナの中で絆創膏を貼るようなもので、くっつきづらいのが容易に想像できますよね。

ラバーダム防湿をすると、50%近くに湿度を抑える事ができるので、接着力を増す事ができます。

セラミックをつける前の状態です。ラバーダム防湿をしています。
一見、キレイに見えると思います。

染め出し液で歯面を染めます。歯磨き指導で衛生士さんに青い液体を歯に塗られ、どこが磨けてないかチェックするやつです。経験のある方もいるかと思います。

染め出し液を洗い流します。するとこのように紫の部分が残ります。
紫の部分は、プラーク(歯磨き指導で言えば磨き残し)が付いているところです。

この様な状態で、詰め物をしたら果たしてくっ付くでしょうか?汚れだらけのところに何かをくっ付けようとしても、付かないのは容易に想像できますよね?

最初の写真では一見キレイに見えますが、これだけ汚れているのです。

紫の部分(プラークの付いている部分)を徹底的に様々な道具や材料を使い落としていきます。するとこのようにきれいになります。
これで、やっと詰め物をする準備ができました。

セラミックの詰め物が入りました。

当院では、たかが一本の歯にセラミックの詰め物をするだけで、これだけ時間と手間をかけています。

ここまですれば、しみる可能性はかなり低くなります。