特殊な症例

こんにちは、井関です。

今回は、先日遭遇したかなりレアな症例をお見せしたいと思います。

患者様は、右上第二大臼歯が痛いと来院されました。
レントゲンを撮ったところ、なんとなく矢印の先に黒い影があり悪い感じではありますが、このような感じではっきりとはレントゲンに写ってきませんでした。
上顎の大臼歯のレントゲンはどうしても解剖学的な理由により鮮明には写りづらいです。

ここで、CTの登場です。
そうすると全ての根の先に骨吸収が見られ、黒い透過像を呈していました。
ああ、やはりこういう症例ではCTがあると非常に便利だな、見逃しが少ないなと思っていたところCTを見ていくと
?????
なんだ、これは?頬側に根が3つあるじゃないですか?
矢印の先に3つ根があることが分かりますよね?
もし、同業の歯科医師の先生が見たら、これがどれだけ珍しいか分かるかと思います。

通常はこのように頬側には2つの根があります。
これが普通だと、学生時代には習いました。

しかし、マイクロスコープやCTを用いると上顎第二大臼歯でもこのように近心頬側根に2つの根管がある、いわゆるMB2と言われる第4根管が見つかることがあります。 これも珍しい症例だと言ってネットにも良く出ていますが、私から言いますと正直、そんなに珍しくもなくしょっちゅう出会います。

この2つを見ると最初のCT画像がどれだけ違うか分かるかと思います。
ちなみにこのような症例があるかネットや論文で調べましたが、私が調べた限り、同じ症例は見ることが出来ませんでした。実際、お口の中で見るとこんな感じです。 はっきりと頬側に3つ根管があることが分かります。これは、マイクロスコープとCTが無ければまず見つけることが出来ないと思います。
いやー、マイクロスコープ&CTって凄いですね。