またも根管内に器具が折れている!

こんにちは、井関です。

先日、他医院からの紹介で、2本の大臼歯の治療を2回で終えてほしいとの依頼でした。
これはなかなか大変な依頼です。
たいてい1本の大臼歯の治療で、2回から3回、難しいと4回かかることもあります。
それを2本を2回で終えてほしいというのはいつもの倍以上のスピードで治療しないといけないという事です。
しかも、なんと根の中で3本も器具が折れているではありませんか!!

紹介してくれた先生も結構な無茶振りしてくるなと思いましたが、ここは頑張らないといけないところです。

左の歯の折れている器具は短く根の途中にあるので、これは簡単に取れると確信できたのですが、問題は右の歯の2つの器具です。
どちらも根の先端まであり、しかも右側はかなり長いです。
これは相当難しいぞと覚悟していました。
以前にもブログで書いてますが、折れた器具の長さが4,5ミリを超えると統計的に除去の成功率がいきなりガクッと落ちるのです。




あらゆるテクニックを用い、なんとか全て除去しました。
一番長いのはちょうど4,5ミリくらいです。
よくぞ出てきてくれました。
この後はいつも通りMTAセメントで充填しておしまいです。
折れた器具は必ず除去しないといけないわけではありません。
折れた器具自体が悪いことをすることはあまりないのです。
しかし、折れた器具の先に細菌感染が起きていれば、折れた器具を除去しないとその先の細菌を滅することは出来ないので、取らないといけません。
この歯は治療前は歯茎から膿が出てましたが、それもなくなり、先日お会いしたら全然問題ないとおっしゃられたので良かったです。