歯科ドックの検査内容②歯周病・虫歯などの口腔内診査

口腔内診査では、患者様が今気になっている歯の状態はもちろん、進行中の虫歯・歯周病がないかどうか、過去に治療した歯は現在どのような状況かについても検査します。
歯周病も虫歯も初期段階では自覚症状がほとんどないため、気が付いた時には重症化してしまっていることがあります。

悪くなっては歯を削り…という悪循環を断ち切るためには、早期発見・予防中心のサイクルに変えていくことが重要です。

虫歯(カリエス・うしょく歯)の有無と進行程度

虫歯治療は早期発見が大切

歯面のどの場所に虫歯があるか、そしてそれがどのくらい広がっているかによって、治療法や修復物の種類が異なってきます。
基本的にはまだ症状がないうちに発見し、早期治療をしたほうが、治療回数も少なく修復物も小さくて済みます。歯を削る量が小さい程、その歯を長く維持できる可能性は高まりますから、症状が出る前の早期発見はとても大切です。

進行程度による虫歯の分類

C0の虫歯

C0:まだ穴の空いていない段階の初期虫歯で、症状はありません。歯の最表層にあるエナメル質に、白く濁った斑点のように現れます。エナメル質は本来半透明で、知覚が通っておらずバリアの役目をしています。

C1の虫歯

C1:穴は空いているものの、エナメル質にとどまっている段階です。エナメル質には知覚が通っていないので、この段階でも症状はでません。

C2の虫歯

C2:穴がエナメル質の内側にある象牙質にまで達した虫歯です。象牙質には知覚が通っているため、冷たい水や甘い食物でしみるなどの症状がでることもあります。

C3の虫歯

C3:象牙質のさらに内層にある歯髄に達した虫歯です。歯髄には歯の知覚を司る神経と、歯に栄養を送っている血管が存在します。この歯髄に虫歯菌が感染して炎症が起きると、血管が拡張して神経を圧迫するために痛みを感じるようになります。
痛みの程度は、軽いものから夜眠れないほどズキズキ痛むものまで様々で、また痛みが出る状況も、何もしなくても痛い、噛むと痛い、冷たい水にしみるなど様々です。

C4の虫歯

C4:歯が大きく崩壊し、歯の根の深くまで達した虫歯です。歯がほとんど破壊されてしまっており、この段階に至ると歯を残すのが難しい場合もあります。

要根管治療歯の有無

重度の虫歯が神経に到達すると根管治療が必要になります

レントゲンやCTなどから根管治療の必要性や、過去の根管治療の状態を診査します。
根管治療とは、歯の根の中にある神経を取り除く治療で、歯の内部にある歯髄にまで虫歯が到達した場合や、歯の根の先に病巣ができた場合に行われます。
一度神経が感染すると自然に治癒することはないので、神経を取り除いて歯の内部を消毒する必要があります。神経を取ると空洞部分ができてしまうので、根の先端まで充填材を隙間なく埋めることで、細菌の再感染を防ぎます。

根管治療が適切にされていないと

不完全な治療により、細菌が増殖してしまった歯のレントゲン写真

不適切な根管治療で封鎖が不完全だと、歯の内部が再度細菌に感染し、細菌が増殖してしまうことがあります。

また、根尖性歯周炎という、根の先端が化膿して痛みが出る症状を引き起こす可能性もあります。どんなにきれいな冠を被せても、適切な根管治療がなされていない歯は長持ちしません。

日本の根管治療の現状

根管治療は歯の治療の基礎となるとても重要なものですが、日本で根管治療した歯を6万本調査した研究によると、不完全な状態の歯が55%であったという報告があります。
マイクロスコープなどの根管治療の精度を高める機器の導入が進んでいないことが原因の一つです。

たとえ不完全な治療であってもすぐに症状として出ないことも多く、気づいた時には抜歯を余儀なくされるケースもありますので、入念に確認します。

当院では歯科ドックの検査にCTを用いるため、レントゲンだけでは病巣の発見・位置の特定が困難なケースも対応可能です。

当院の精密根管治療の詳細はこちら

不適切修復歯の有無

過去に治療した修復物(クラウン:被せ物や差し歯、インレー:部分的な詰め物など)が歯に対して過不足なく適合しているか、その状態を診査します。

隙間が歯周病や虫歯を引き起こす

肉眼ではわかりにくいほんの少しの過不足であっても、ミクロの大きさである虫歯菌や歯周病菌にとっては繁殖するのに十分な大きさの隙間です。不適切な修復物によってできた隙間に細菌が増殖することで、また虫歯になったり(2次虫歯)、歯周病を引き起こしたりする原因になります。

本来の歯の形態を再現できているか

歯は食物を効率よく咬めるように、複雑な形態をしています。例えば、奥歯の噛み合わせの面には、いくつかの咬頭(山になっているところ)と、二つの隣り合う咬頭同士の間にできる裂溝(くぼんでいるところ)があります。
この構造には、食べ物を咀嚼する時に、食物の流れを良くし、噛む効率を高めるという効果があります。

修復物は、その歯本来の解剖学的形態が再現されていることが重要です。
再現が不十分な修復物が装着されている歯も、不適切修復歯といえます。

歯周病精密検査

歯周ポケットの深さは歯周病進行度の目安

軽度歯周炎
軽度歯周炎
中等度歯周炎
中等度歯周炎
重度歯周炎
重度歯周炎

歯周病とは、その名が示す通り、歯の周りにある歯周組織が細菌によって破壊される病気のことをいいます。

健康な歯周組織は、歯と歯茎の境目で複雑な構造をしています。1mmの歯肉溝と、2mmの上皮付着および結合組織性付着とよばれる歯と歯茎の強固な接着の、合計3mmの構造が成り立っています。
歯周病にかかると、歯周病菌が放出する毒素によって、この歯と歯茎の接着が剥がれていき、病的な歯周ポケット(深さ4mm以上)ができます。

よって歯周ポケットの有無・深さを指標として、歯周病に罹患しているかどうかと歯周病の進行の程度を診査します。

1本の歯につき6カ所の歯周ポケットを計測

歯周病の進行の程度は、同じ1つの歯であっても場所によって様々です。
精密に歯周病の程度を診査するために、計測は1歯につき頬側、舌側(口蓋側)をそれぞれ3か所ずつ、計6か所にわたって行います。

歯周ポケットに加えて、出血率と歯の動揺度もチェック

歯周病の症状としては、歯がぐらぐら動く、歯茎から血が出る、口臭がするなどが挙げられます。
そこで歯周ポケットの深さに加えて、検査時の出血率や歯の動揺度についても記録します。

歯周病は、初期の段階では自覚症状なく進行しますが、最終的には歯を支える骨を溶かし、歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。
痛みなどの症状のある歯だけでなく、まだ自覚症状のない歯周病も早期に発見し、治療することが大切ですから、入念に検査を行います。

当院の歯周病レーザー治療の詳細はこちら

動揺歯の有無と進行程度

グラグラと揺れる歯は「歯根膜」に問題あり

グラグラと揺れる歯は「歯根膜」に問題あり

歯と顎の骨(歯槽骨)の間には、両者をしっかり結合させている歯根膜という繊維が存在します。
歯根膜はクッションのような役割を果たしており、噛む力が加わるとわずかに動くことで負荷を和らげます。

しかし、この歯根膜が炎症を起こして歯と歯槽骨との結合が弱まると、正常な動揺の許容範囲を超えて、小さな力でもグラグラと大きく動揺するようになります。

動揺度の検査では、一方向にだけ歯が動くのか、前後左右に動くのか、あるいは前後左右に加えて上下にまで動くのかという風に、いくつかの段階に分類してチェックします。
ひどく動揺する場合は、それ自体がさらに炎症を悪化させ、歯周組織の破壊を促進してしまう可能性もあるため、治療の際には一時的に歯を固定したり、噛み合わせを調整したりすることで動揺を抑えます。

根分岐部病変の有無

根分岐部病変とは

根分岐部病変とは

奥歯(臼歯)には歯の根が複数ありますが、この根が分かれている部分(根分岐部)は通常骨の中にあって細菌が侵入できない状態にあります。
しかし、重度の歯周病で骨を失い、歯周ポケットが分岐部にまで及んだり、虫歯が根の奥深くまで進行して分岐部に達したり、あるいは歯の根が割れて隙間ができると、分岐部に細菌が侵入してしまうことがあります。
このように分岐部分が細菌感染を起こした状態を根分岐部病変といいます。

根分岐部病変は複雑な治療が必要

根分岐部病変は複雑な治療が必要

根の分岐部分は複雑な形をしており、セルフケアによるプラークコントロールはもちろん、歯科医院であっても清掃道具が届きにくいため、複雑な治療が必要になることもあります。
検査で根分岐部病変の有無を確認し、もし存在している場合には、歯周組織再生療法などの治療の中から、原因に合わせて最適な治療方法をご提案・ご説明いたします。

要抜去歯の有無

明らかに保存不可能で抜去する必要がある歯の有無と、保存不可能な状態に至ったその原因を診査します。

抜歯が必要な歯とは

以下の状態になっている歯は、残すことが不可能であり、抜去しなければなりません。

  • 歯を支えている歯槽骨の中まで虫歯が進行してしまい、虫歯を除去すると健全歯質がほとんどなくなってしまう歯
  • 歯周病が進行して歯を支えている歯槽骨がほとんどなくなってしまい、食物を噛む負荷に堪えられなくなってしまった歯
  • 根が縦に割れてしまっている歯
  • 根の先にできた病巣(膿の袋)が根の治療や外科的治療でも治癒せず、痛みなどの症状が治まらない歯
  • 歯が並んでできる歯列から明らかに外れたところにあって、噛み合わせに参画できない歯

保存が不可能な歯を残しておくと...

残すことの出来ない歯をそのままにしておくと、以下のような問題が発生します。

  • その歯は噛むということに機能していないため、噛む能力が落ちる
  • 歯の周囲に細菌が繁殖して痛みを引き起こす、または痛みが治まらない
  • 隣りの歯や、本来その歯と噛み合うはずの対顎の歯が動いて噛み合わせのバランスが崩れる

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当院はカウンセリング後に治療計画へご同意いただいてはじめて治療を開始します。
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