歯ぐきや骨を再生する歯周組織再生療法
歯周組織再生療法とは
歯周組織再生療法とは、歯周病によって失われた歯周組織、具体的には歯ぐきや歯槽骨を再生させる治療法です。
歯の機能と見た目を補い、歯周病の進行を防ぐことを目的としています。
歯周病は進行すると歯を支える骨や歯ぐきが破壊され、最終的に歯が抜けてしまいます。
これまで骨や歯周組織は、一度失われるともとに戻すことはできませんでしたが、治療後の機能的・審美的な歯の存続を実現することが可能です。
歯周組織再生療法には、「エムドゲインゲル」「GTR法」「リグロス」という治療があります。
まず、それぞれの特徴について説明していきます。
エムドゲイン・ゲル

エムドゲインは、歯周病によって失われた歯周組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質)を再生させる歯周組織再生療法の一つです。
生体適合性が高く、これまで世界中で100万症例近く使用されていますが安全だと言われています。
手術は比較的短時間で済み、身体への負担も少なめです。
効果
- ・歯周病によって破壊された骨や歯周組織の再生が可能
- ・歯を引き締める効果が期待できるので、審美的な回復も見込める
- ・歯周組織の回復が早い
- ・エムドゲイン・ゲルの使用が許可されてから副作用の報告がない
※高齢者・妊婦・産婦等への使用は場合によって制限があります
費用
エムドゲイン治療は、自費診療となり健康保険対象外です。
費用は歯科医院によって異なりますが、一般的にはおおよそ1歯あたり4万円~8万円程度が相場として挙げられます。
ただし、歯の状態によってはより多くの薬剤を使用する必要がある場合や、専門的な治療を必要とするケースがあるため、料金が高くなる可能性があります。
GTR法


GTR法は、失われた歯周組織の代わりに新しい歯周組織を再生させて、歯の支持構造をできる限り元の状態に戻す治療法です。
再生力が高く歯周組織の再建に効果的ですが、手術が必要な場合が多く術後のケアが重要になります。
効果



ポケットの内部を清掃した後にメンブレンを設置し外から不要な組織が進入してこないように防御することで、茎の組織が骨組織に侵入するのを防ぎ、骨や歯周靭帯が再生するための環境を作り出します。
費用
GTR法は、使用する人工膜の種類によっては保険適用され、3割負担で治療が受けられます。
ただし、保険適用外の人工膜を使用する場合は、自己負担となります。
リグロス

リグロスの主成分は、トラフェルミンと呼ばれるヒトのタンパク質「FGF-2(塩基性線維芽細胞増殖因子)」を人工的に生産したものです。
歯周病によって失われた歯周組織の再生を促進する目的で使用されます。
効果
リグロスを使った歯周組織再生療法は骨や歯周組織の再生が可能なので歯周病治療でグラグラしたままの歯も揺れが収まり、歯周病の進行を止めることができます。
また、歯が揺れることで生じる痛みや不快感を払拭し、患者さまの負担も軽減できます。
リグロスを使った歯周組織再生療法は重度の歯周病であっても抜歯せずに済む可能性が高まります。
費用
リグロス治療は、保険適用です。
費用は歯科医院によって異なりますが、一般的にはおおよそ1歯あたり1万円~3万円程度が相場として挙げられます。
ただし、歯の状態によってはより多くの薬剤を使用する必要がある場合や、専門的な治療を必要とするケースがあるため、その場合は料金が高くなる可能性があります。
歯周組織再生療法の流れ

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①歯周ポケットの深さを計る
歯周組織の状態を調べるために、歯周ポケットの深さを計る -
②歯肉の切開
抜歯をするときのように麻酔をかけ、治療する部分の歯肉を切開します。 -
③歯肉の剥離
歯肉を傷つけないように慎重に剥離をしていきます。 -
④歯根表面の清掃
細菌感染物や不良肉芽組織を徹底的に除去し、術部を綺麗にします。 -
⑤エムドゲイン・ゲルの塗布
綺麗になった術部にエムドゲイン・ゲルを塗布します。 -
⑥縫合
隙間が出来ないよう、歯肉を緊密に縫合します。
一般的には治療後、約2週間程度で抜糸を行います。
歯周組織再生療法の費用
歯周病の進行度合い、使用する材料、治療を行う範囲によって費用は上下します。
また治療法によっては、自由診療や保険適用になるため、歯科医に相談しましょう。
歯周組織再生療法で回復した事例
歯周組織再生療法の症例①
分岐部病変2度の状態です。初期治療終了後、咬合調整を行い、プラークコントロールが確立された後に再生療法を行いました。
治療後1年でポケット6mmから3mmに改善し、安定しています。


施術名:歯周組織再生療法
施術の内容:歯周外科手術 + エムドゲイン塗布
施術の価格:¥120,000
リスク・副作用:レーザー治療での副作用はほとんどございませんが、手術・麻酔・抜歯を治療の一貫で行う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみを生じる事があります。
歯周組織再生療法の症例②
痛くて物が噛めないということで来院され、本人の抜歯したく無いという強い希望により保存を試みました。
初期治療、咬合調整後、セントリックバイトを採得し咬合の安定を図り、エムドゲイン、メンブレンを使用し再生療法を行なったところ物が噛める状態まで回復しました。


施術名:歯周組織再生療法
施術の内容:歯周外科手術 + エムドゲイン塗布
施術の副作用(リスク):レーザー治療での副作用はほとんどございませんが、手術・麻酔・抜歯を治療の一貫で行う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみを生じる事があります。
施術の価格:¥120,000
歯周組織再生療法の症例③
初期治療終了後、6ヶ月経過観察を行いましたが、垂直的骨吸収が残存した為に再生療法を行いました、10mmのポケットが3mmまで回復しました。


施術名:歯周組織再生療法
施術の内容:歯周外科手術 + エムドゲイン塗布
施術の副作用(リスク):レーザー治療での副作用はほとんどございませんが、手術・麻酔・抜歯を治療の一貫で行う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみを生じる事があります。
施術の価格:¥120,000
歯周病の重症化を防ぐための注意点
- ・硬い物、辛い物など刺激のある食品を避ける
- ・アルコールやカフェインを控える
- ・治療直後は食品は小さく切り、ゆっくり食べる
- ・再発リスクを高めるため禁煙を心がける
- ・定期的な検診とクリーニングを受ける
歯周組織再生療法はウケデンタルオフィス
これまでの歯周病治療では、治療後に歯がグラグラしたり噛みづらいなどの機能的な支障が出てくる場合や歯肉が本来の位置よりも低くなっているため、歯が長く見える審美的な支障が出たりしてしまいます。
ウケデンタルオフィスでは歯周病治療後の機能性・審美性も重要な点であると考え、歯周病が原因で失われた骨や歯肉などの歯周組織を再生させ、いつまでもご自身の歯を保つための治療をするとともに、元の健康的な歯に近づけるために、患者さまにとって最良のご提案をさせていただきます。歯周病や歯のお悩みのある方はぜひウケデンタルオフィスへカウンセリングを受けてください。