歯周整形治療(歯肉移植)で痩せた歯茎を改善

歯肉移植とは

歯肉移植とは

まず歯ぐきには歯槽粘膜と付着歯肉という2種類の組織があり、その違いは表面が角化しているかどうかです。
特に付着歯肉は角化しており、表面から角化層、顆粒層、有棘層、基底層といった層が形成されています。
この角化層はケラチンを多く含み、科学物質や細菌、ブラッシングに対して非常に強い抵抗力を持っています。
付着歯肉の役割は、歯を守るために重要です。

しかし、付着歯肉や歯茎が喪失すると、審美的な問題だけでなく歯周病のリスクが高まることになります。
その治療法が「歯肉移植」で、健康な歯茎を他の部位から移植し、失われた歯肉を再生します。

歯肉移植が適応になる方

  • ・歯茎が下がって見た目が気になる
  • ・歯茎が下がるなどして、食べ物がよく詰まる
  • ・冷たいものがしみるようになった
  • ・歯茎が痩せてきて、歯が長くなった

歯茎が下がる・痩せる「歯肉退縮」

歯肉退縮とは、歯茎が痩せ下がってきて本来歯茎に隠れている歯根が露出した状態のことです。

歯肉退縮の症状

  • ・歯茎が痩せたり、下がることで歯が長く見える
  • ・歯と歯茎の間に隙間ができバランスが悪い
  • ・食べ物がよく詰まる
  • ・知覚過敏になる
  • ・歯根が露出する

歯肉退縮の原因

・歯周病
歯肉退縮の主な原因は歯周病の進行です。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶け歯茎が下がることで、歯の露出部分が増え「歯が長くなったような気がする」と感じることがあります。
主な発症原因はデンタルケア不足ですが、免疫力の低さや遺伝も影響します。

・加齢
年齢を重ねるにつれて、骨や筋肉と同様に歯茎も衰えていきます。
歯茎が痩せることで、下がったように感じることがあります。

・過剰なブラッシング
必要以上に力を入れてゴシゴシと磨くと、歯茎に過度な刺激を与え、痩せたり下がったりする原因となります。
適切な力加減は、歯ブラシの毛先が広がらない程度です。
歯ブラシは軽く持ち、優しく磨くことが大切です。
強く磨けば汚れが取れるわけではないことを覚えておきましょう。

・歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に強い圧力をかけるため、歯茎に負担がかかり歯肉退縮を引き起こす原因となります。
特に就寝中の無意識な行動が多く、顎の骨が溶ける場合もありますが、ナイトガードの使用でダメージを軽減できます。

・体癖
日常生活での頬杖、横向き寝、うつ伏せ寝などによる外部からの圧力により、歯茎が痩せたり歯が動いたりしてしまいます。

歯肉移植の治療法

代表的な治療法として、「遊離歯肉移植術(FGG)」と「結合組織移植術(CTG)」があります。

遊離歯肉移植術(FGG:Free Gingival Graft)

硬い歯肉が不足している部位に新しい歯肉を移植し、歯の安定性を高めることを目的とした手術です。
口蓋から上皮組織と結合組織を含む歯肉を採取し、そのまま移植部位に固定します。
結合織移植術と比べ、術後の腫れや痛みが少ない傾向にあります。

結合組織移植術(CTG:Connective Tissue Graft)

歯肉の厚みを増し、歯肉退縮を改善します。
口蓋から結合組織のみを採取し、移植部位の上皮と骨の間に挟み込む手法です。
審美性に優れ、自然な仕上がりが期待できます。

歯肉の移植のメリット・デメリット

メリット

  • ・下がった歯茎が修復され、見た目が改善する
  • ・食べ物が詰まりにくくなる
  • ・知覚過敏を改善・予防できる
  • ・歯ブラシが全域に届きやすくなり、口腔衛生が向上する
  • ・虫歯や歯周病のリスクを抑制できる
  • ・インプラント周囲の歯茎に対して行った場合、インプラントの寿命が延びる可能性がある

デメリット

  • ・手術時に痛みがある(局所麻酔を使用)
  • ・術後に一時的な痛みや腫れが生じることがある
  • ・内出血の跡が3週間程度残ることがある
  • ・移植片が生着しない可能性がある(ただし、非常に低確率)
  • ・長期的に移植部位が元に戻る可能性がある
  • ・治療費用が高額になる場合がある

歯肉移植の手法

歯周整形治療では、歯茎から歯肉を採取し、患部に移植します。
手術は1時間半程度で、痛みと腫れは通常それほどありません。

移植する歯肉を採取

1.移植する歯肉を上顎奥歯の内側から採取します。

採取した歯肉を移植

2.上顎奥歯の内側の歯肉は厚さが3mmあります。1mmの厚さで歯肉を採取し、移植される側にメスで切開を入れポケット状にし、その中に採取した歯肉をいれます。

術後の経過

3.歯肉を採取された側は約2週間で元に戻り、移植された側が約1か月で周りと区別がつかない状態になります。

歯肉移植の治療の流れ

歯周整形治療(歯肉移植)は以下のような流れで行います。

Step1

Step1

まず、カウンセリング・口腔内診査・歯周病精密検査を行います。
歯周病が見つかった場合には、スケーリングやSRPなどの歯周病治療を行います。

歯周病治療についてはこちら

Step2

Step2

歯周整形治療を行います。

Step3

Step3

2週間後に抜糸、その後4~6週間は週に1度クリーニングを行います。

歯茎の移植の適応

痩せた歯茎全てに移植ができるわけではありません。
全周にわたって重度な骨吸収を伴う歯周病を伴う歯、歯茎が痩せた原因が特定できず、原因が除去できない場合などは移植が不可能です。

また、移植された歯茎は周囲組織から血液供給を受けて、周りの歯茎と生着するため、痩せた面積が広い場合や、歯の位置が歯茎から突出していると移植の難易度は上がり、場合によっては2回行うこともあります。

歯肉退縮 隣接歯の骨 成功率
歯槽粘膜に達しない 歯槽粘膜に達しない 正常 高い
歯槽粘膜に達する 歯槽粘膜に達する 正常 高い
歯槽粘膜に達する 歯槽粘膜に達する 低いが退縮した歯肉まで達していない 低い
歯槽粘膜に達する 歯槽粘膜に達する 退縮した歯肉レベルまで達している 極めて低い

歯肉移植の症例

退縮した歯茎を患者様の個性や顔立ちに合わせ、治療の痕がわからないほど自然な仕上がりです。痩せた歯茎の治療は当院にお任せください。

歯周整形治療(歯肉移植)

歯周整形治療(歯肉移植)の症例写真
Before
歯周整形治療(歯肉移植)の症例写真
After
患者様 30代・女性
治療内容 歯肉移植4歯
過度のブラッシングにより、両側切歯、犬歯の歯肉が退縮したことを主訴にご来院されました。 歯周整形治療により治療を行い、矢印の箇所が自然な歯茎へと回復しています。
料金 ¥345,600
リスク・
副作用
手術・麻酔・抜歯を伴う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみ、神経麻痺、血管損傷を生じる事があります。
また、歯並びが変わる事により一時的な違和感を生じる事があります。

歯肉移植(結合組織移植)

歯周整形治療(歯肉移植)の症例写真
Before
歯周整形治療(歯肉移植)の症例写真
After
患者様 50代・女性
治療内容 歯肉移植4歯
左右の側切歯・犬歯部分の歯茎の退縮、知覚過敏を主訴として来院されました。歯周整形治療により治療を行い、矢印の箇所が自然な歯茎へと回復しています。
料金 非公開
リスク・
副作用
手術・麻酔・抜歯を伴う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみ、神経麻痺、血管損傷を生じる事があります。 また、歯並びが変わる事により一時的な違和感を生じる事があります。

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ウケデンタルが選ばれる3つの理由

ウケデンタルが選ばれる3つの理由

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