CTを用いた精密根管治療症例
CTスキャンを用いた診断例
CTスキャンを用いることで、すべての歯科治療において今まで以上に精密で高度な診査、診断を行うことが可能となります。
CTスキャンを撮ってみて初めて分かることがたくさんあります。
こちらは歯を輪切りにして見た画像です。青で囲んだ部分が第二大臼歯です。
左右の第二大臼歯を拡大してみると、右側上顎第二大臼歯が特殊な形をしています。 左右で根の形が違い、根管の数も違うのがよく分かると思います。黒く抜けているところが根管です。
左像は1根管ですが、右像では2根管を有しているのが分かります。
この様な事は、レントゲンではなかなか分かりづらいのですが、CTであれば確実に分かります。
これにより術前にしっかりと準備が出来るため、根管を見落とすことなく治療を始められます。
これは先ほどの根を歯の軸に対し縦に切った像です。こちらでも、はっきりと1つの根に対し、2根管を有しているのが分かります。こちらも黒くなっているところが根管です。
左側上顎第二大臼歯が1つの根に対し、2つの根管を有しているケースです。白いのは充填材です。黒く抜けているところは、治療が施されていない根管です。
こちらも先ほどの根を歯の軸に対し、縦に切った像です。はっきりと根充材(白い部分)が埋まっている根管と(左)、治療が施されていない根管が存在することが分かります。(右)
CTスキャンを用いた治療例
M.Eさん(65歳女性 東京都葛飾区)
主訴
以前治療した左下が痛い
診断
左側下顎第一小臼歯根尖性歯周炎
CT撮影をしたところ、下顎第一小臼歯は通常1根管のことが多いが、2根管あった。
下顎第一小臼歯の2根管はおよそ25%。そして、2根管のうち片方の根管しか治療を施されていないことが判明。
術前にCT撮影を行うと、このような珍しい症例を事前に把握することができます。
治療
マイクロスコープにて根管内を見ると、すぐに2根管目を見つけられました。
2根管目はかなり汚染されていましたが、2回の洗浄、クリーニングによりきれいな状態となりました。3回目にMTAセメントを充填しました。
こちらは左側下顎第一小臼歯のCT像です。下顎第一小臼歯は、1根管が75%、2根管が25%ですが、これは2根管を有しています。
少し珍しい根です。レントゲンではなかなか分かりづらいですが、CTであれば確実に分かります。また、右側の赤い矢印部分にははっきりと充填材(白い部分)が入っており、左側の白い矢印部分は治療が施されていない根管が存在することが分かります。(黒く抜けているところが根管です。)
施術名:精密根管治療
施術の内容:根管治療
施術の副作用(リスク):治療後に疼痛、咬合時痛、冷温痛、腫脹、出血、むくみ、神経麻痺、血管損傷を生じる事があります。
症状によっては抜歯が必要な場合があります。
施術の価格:¥110,000
治療内容 | CTにて歯の根の状態を確認、マイクロスコープで実際の患部を確認したうえでニッケルチタンファイル、ラバーダム、MTAセメントなどを用いて治療を行います。 |
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料金 |
前歯:¥110,000 小臼歯:¥132,000 大臼歯:¥154,000 |
リスク・ 副作用 |
MTAセメントを用いた治療の可否は歯の状態によります。 |