金属アレルギー治療

金属アレルギーとは?

そもそもアレルギーとは、免疫反応が有害な病原体を排除するばかりでなく、反応が過度になり組織の傷害・疾患を引き起こす症状です。
金属アレルギーとは、その名のとおり金属が原因となって発生するアレルギー性接触皮膚炎であり、多様な皮膚症状が発生します。しかし、日常生活で金属に触れる機会も多いため、原因の特定が非常に困難になっています。

金属アレルギーの症状

  • 味覚異常・金属の刺激による異常感
  • 口の中や、舌に灼熱感や疼痛を覚える
  • 色素沈着・歯の変色
  • 舌炎・口内炎・口唇炎・肉牙腫性口唇炎
  • アレルギー性接触皮膚炎、刺激性接触皮膚炎
  • 局所、及び全身への蕁麻疹
  • 全身性接触皮膚炎
  • 赤斑・扁平苔癬、白板症、掌蹠膿疱症
  • 非特異的免疫増強作用

金属アレルギーによる掌せき膿庖症

金属アレルギーによる掌せき膿庖症

アレルギーの分類

Ⅰ型アレルギー(アナフィラキシー反応)

即時型アレルギーと呼ばれるもので、抗原との接触後、短時間で起こる反応です。
代表例は花粉症・蕁麻疹・喘息・アトピー性皮膚炎やハウスダストアレルギーなどです。

Ⅱ型アレルギー(組織障害性反応)

抗原&抗体&補体が細胞表面に結合した結果、その細胞が侵襲を受ける反応であり、抗体が付着した細胞に限定して障害が生じるのが特徴です。
自己免疫性溶血性貧血や血小板減少症などが症状として挙げられます。

Ⅲ型アレルギー(免疫複合体反応)

臓器や血液中に存在する抗原に対する抗体が大量に生産されると、抗原抗体複合体が形成されますが、それを体内で処理しきれない場合に発生します。
免疫複合体の沈着するあらゆる臓器に生じうるのが特徴であり、全身性エリテマトージスなどが有名です。

Ⅳ型アレルギー(細胞性免疫反応)

遅延型アレルギー、細胞免疫型アレルギーなどと呼ばれています.反応が出現するまでの時間が長いのが特徴です。Ⅰ~Ⅲ型までが液性抗体が関与する反応であるのに対して、Ⅳ型はT細胞、マクロファージなどの細胞が関与します。抗原に感作されたT細胞の産生するサイトカイン(リンホカイン)によって引き起こされる一連の反応であることが多い症状です。
代表例にツベルクリン反応、接触性皮膚炎などがあり、金属アレルギーはこのカテゴリーに分類されます。

歯科における金属アレルギー

唾液によって金属が非常に溶けやすい状態になっているため、歯の充填などに使用した金属材料が溶け出し金属イオンとなります。
その金属イオンが体のタンパク質と結合し、「異物」と見なされ、免疫が過剰反応し、アレルギーを引き起こします。
アレルギーの基礎知識を理解した歯科医による治療が有効ですが、数が少ないのが現状です。

金属アレルギーの発症機構の略図
1. イオン化した金属は皮膚を通過する
金属アレルギーの発症機構の略図
2. タンパク質が金属イオンと結合、異物と判断される
金属アレルギーの発症機構の略図
3. マクロファージに吸収され、T細胞が感化される
金属アレルギーの発症機構の略図
4. 感化されたT細胞は、キラーT細胞を作り出す
金属アレルギーの発症機構の略図
5. 体内のアレルゲンをキラーT細胞が攻撃する
金属アレルギーの発症機構の略図
6. 皮脂細胞についたアレルゲンが攻撃されると炎症が起こる

金属アレルギー治療

治療の流れ

金属アレルギー治療の流れ

当院では図の左下の「抗原除去療法」を行っています。(検査は行っておりません。)
アレルギーの原因となる金属イオンが溶け出している歯を特定後、アレルギーを起こさない材質のものと交換する必要があります。代替材料としては金属を含まないセラミックスやハイブリッドセラミックスなどを使用します。

治療の注意点

抗原除去療法成功率の比較

アレルギーの原因となっている金属を除去しても、すぐに効果が現れるとは限りません。
金属を口腔内から除去する際、金属の微細な屑が飛沫し、皮膚症状が悪化する「フレアアップ」という現象が起こる可能性もありますので、2~6ヶ月の経過観察が必要であり、平均1~2年程度を目安に治療を進めていく必要があります。

まずは初診カウンセリングへ

当院はカウンセリング後に治療計画へご同意いただいてはじめて治療を開始します。
初めての方でも安心していただけるように30分から60分の長めのカウンセリング時間を設けておりますので、ご不安・ご不明な点についてまずはお気軽にご相談ください。

カウンセリング予約から治療までの流れ

カウンセリング予約

keyboard_arrow_up TOP