歯科用炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を徹底解説

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)とは

炭酸ガスレーザーとNd:YAGレーザーの影響範囲の比較

炭酸ガスレーザーは、痛みを和らげ、「抜歯」や「削る」治療を最小限にすることができる治療です。
従来の切開やドリルを使用する方法に代わり、レーザー光を用いて行います。
そのため患者さまの体への負担が大幅に減り、痛みや不安が軽減されます。
他の部位に影響を及ぼす可能性がほとんどなく、安全なレーザーとして広く認められています。
副作用も少ないため、高血圧や糖尿病の患者や妊娠中の方にも安心して受けていただける治療法です。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の特徴

炭酸ガスレーザーに対する生体反応

炭酸ガスレーザーは、切開や切除などの外科的作用(HLLT)と再生・治癒を促す作用(LLLT)の、両作用を備えた治療機です。
HLLTとは、切開や蒸散と言われる、異物や腫瘍を除去したりする作用です。
それに対してLLLTとは組織の再生や治癒を促進する作用です。
この作用は炭酸ガスレーザーにのみ特化した作用であり、メス切開するよりも炭酸ガスレーザーで切開した方が傷の治りが早く、痛みも少ないなどの利点があります。

歯周病により歯茎に炎症がある場合、炭酸ガスレーザーのHLLT作用により歯周病細菌の殺菌、炎症組織の除去を行ないます。
続いて炭酸ガスレーザーのLLLT作用により傷ついた歯茎を修復して行きます。
細胞外情報伝達因子に多くの信号が送られ、組織の創傷治癒が急速に進行します。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の効果

歯肉炎、歯周炎による歯肉の炎症の抑制

歯肉炎、歯周炎による歯肉の炎症の抑制

炭酸ガスレーザーは、歯茎の腫れや出血といった炎症症状を軽減する強力な殺菌効果を持っています。
炎症が起きている歯周ポケット内部にレーザーを照射することで、殺菌作用により有害な細菌を減少させることが可能です。
またレーザー照射により歯肉の血流が改善され、治癒過程が促進されます。
これらの殺菌効果と血行促進により、歯茎の腫れや出血などの炎症症状を抑制することができます。
さらに炎症が抑えられることで、歯肉を健康的に引き締めます。

口内炎、口角炎による痛みの軽減

口内炎、口角炎による痛みの軽減

口内炎や口角炎による痛みを緩和し、治癒を促進する効果もあります。
患部にレーザーを照射することで保護膜が形成され、食べ物など外部からの刺激を遮断します。
これにより痛みが軽減され、治癒を促進。
さらに炭酸ガスレーザーの効果は口内炎だけでなく、舌を噛んでしまった際の傷や入れ歯による擦れで生じた傷も回復させることができます。

知覚過敏の改善

知覚過敏の改善

知覚過敏は冷たいものがしみるなどの症状が現れますが、主な原因は歯の根元の露出や歯肉の退縮です。
これは必ずしも虫歯が原因ではなく、歯の磨きすぎや歯肉の衰えによっても引き起こされる場合もあります。
炭酸ガスレーザーは歯の神経を沈静化または鎮静化する効果もあるため、知覚過敏による不快な症状を緩和することができます。

歯ぐきの黒ずみの改善

 歯ぐきの黒ずみの改善

炭酸ガスレーザーは、歯ぐきの黒ずみを改善する治療法としても効果的です。
メラニン色素の沈着や喫煙などによって引き起こされる歯茎の黒ずみを、健康的なピンク色に改善します。
麻酔を必要とせず、わずかな痛みで色素を除去できることが利点です。
患者さまへの負担が少ない上、効果的に黒ずみを取り除くことができます。

抜歯や外科処置後の治癒促進

  抜歯や外科処置後の治癒促進

炭酸ガスレーザーは、抜歯や外科措置にも優れています。
特に親知らずの抜歯など、歯ぐきの切開に効果的です。
レーザーを照射することで血液を炭化させ、かさぶたをつくることで止血を促進します。
これにより短時間で出血を抑え、清潔な状態で処置を行うことができます。
また炭酸ガスレーザーには、術後の治癒を促進する効果があります。
レーザー照射により患部の細胞活動が活性化され、組織の回復が早まります。
鎮痛剤の使用も少なくでき、身体への負担を最小限に抑えられます。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の治療におけるメリット

  • 高い殺菌効果により、歯周病や口内炎の治療に効果的
  • 痛みが少なく、患者への負担が軽減される
  • 細かい部分や難しい箇所でも、正確な治療が可能
  • 組織の切開や縫合が不要で、回復が早い
  • 副作用や合併症のリスクが低い
  • 虫歯予防にも効果がある

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)の治療におけるデメリット

  • 他の治療法に比べて費用が高い場合がある
  • 全ての歯科治療には使用できず、応用範囲が限定される
  • 術後に一時的な赤みや腫れが生じることがある
  • 色素沈着や脱色のリスクがある

「炭酸ガスレーザー」と「エルビウムヤグレーザー」の違い

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)とエルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー)は、歯科治療で使用される2つの主要なレーザー技術ですが、その特性と適用範囲に違いがあります。

歯科レーザーの種類
  • ネオジウムヤグレーザー(Nd:YAG) 1064nm
  • エルビウムヤグレーザー(Er:YAG) 2940nm
  • 炭酸ガスレーザー(CO2) 10600nm

炭酸ガスレーザー

日本の歯科医院で最も普及しているレーザーで、主に軟組織の治療に適しています。
その特徴として、ほとんど出血を起こさずに炎症を起こした歯茎などの軟組織を治療できる点が挙げられます。
また優れた止血効果があり、歯茎の切開や抜歯時の出血を抑制します。
さらに、強力な殺菌作用を持ち、歯周病の症状改善に効果的です。

エルビウムヤグレーザー

最も「人にやさしいレーザー」と呼ばれ、振動や痛みが少ないのが特徴です。
重度の歯周病にも対応可能で、歯周ポケットの内側の歯石除去ができる唯一のレーザー。
また、生体の治癒を促進する作用があり、従来の治療法よりも早い回復が期待できます。
大きな違いは、エルビウムヤグレーザーは硬組織(歯や骨)を削ることが可能です。
虫歯の除去ができ、従来のドリルを使用する際に発生する不快な振動や音を避けられます。
また水への吸収性が非常に高いため、熱の発生を最小限に抑え、痛みや出血を軽減します。

つまり、炭酸ガスレーザーは主に軟組織の治療や殺菌に特化している治療。
それに対し、エルビウムヤグレーザーは軟組織と硬組織の両方に対応でき、より幅広い治療に適用可能 な治療です。

エルビウムヤグレーザーについて詳しくはこちら

また、その他にはネオジウムヤグレーザーという歯肉に対して浸透しやすいレーザーがあり、こちらは
水に吸収されず熱が組織の深部に到達するため、使用する際は充分注意する必要があります。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)治療のよくある質問

Q

親知らずに効果はありますか

A

炭酸ガスレーザーは、親知らずの抜歯などに非常に効果的です。

Q

どのくらいの痛みですか?

A

炭酸ガスレーザー治療は一般的に痛みを伴いにくいです。
電気メスなど従来の方法に比べて熱による周辺へのダメージが少なく神経を直接刺激することが少ないため、痛みが少なくなります。
多くの患者さんから、痛みをほとんど感じないと言われています。
ただし、個人の感受性や治療箇所によって異なる場合もあります。
治療中に不快感や痛みを感じた場合は、歯科医師にその旨を伝えてください。

Q

効果はどのくらい持続しますか

A

一般的には、炭酸ガスレーザー治療による効果は長期間持続すると言われています。
例えば、歯ぐきの炎症や出血を改善する場合に、数週間から数ヶ月以上の効果が持続することがあります。
また知覚過敏の治療では、一時的な症状の緩和から持続的な改善までさまざまです。
ただし、治療後の個人の生活習慣や口腔ケアの維持が重要です。

Q

保険は適用しますか?

A

神谷町院は自費診療のみとなります。
また、池袋院、品川大井町院においては以下の治療は健康保険が適用されませんのでご注意ください。
歯周病レーザー治療、歯肉整形治療(歯肉移植)、歯周組織再生療法、(審美)インプラント、審美歯科、ホワイトニング、精密根管治療、金属アレルギー治療

まずは初診カウンセリングへ

当院はカウンセリング後に治療計画へご同意いただいてはじめて治療を開始します。
初めての方でも安心していただけるように30分から60分の長めのカウンセリング時間を設けておりますので、ご不安・ご不明な点についてまずはお気軽にご相談ください。

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