歯周病細菌検査の必要性

歯周病は一般的な感染症と異なり、その発症と進行にはプラーク細菌叢の構成、全身の健康状態や遺伝的素因、あるいは歯列の状態などが関与し、その病態は個体間で大きく異なります。

ところが従来の歯周病検査は、ポケット深さなどの歯周組織の破壊状態を形態的に調べることが中心であり、個々の病態を規定している因子を評価していませんでした。現在では、予知性の高い治療と予防を展開するために、歯周病の病態を的確に検査・診断することが要求されています。

個々の病態を規定している因子には、以下のようなものが挙げられます。

  • 歯周病活動性
  • 歯周病感受性

それぞれについてご説明します。


歯周病活動性

歯周病活動性は、発症した歯周病が将来的にどの程度悪化して組織破壊が進行していくのかを示す指標です。炎症の程度や組織破壊の程度を反映します。

  1. 細菌学的指標・・・細菌検査
  2. 臨床的な指標・・・ポケット検査、X線検査

今までは②の指標のみによって診断していましたが、①の細菌検査も活用することでより個々の病態(深刻な感染症なのか、それとも多量のプラーク蓄積による不潔性歯周炎であるのか)を的確に診断していくことができます。

歯周病感受性

歯周病感受性は歯周病に対して罹患しやすいかどうかの個体の体質のことです。

  1. 全身的因子・・・糖尿病、薬物の服用、喫煙、ストレス、加齢
  2. 口腔内因子・・・歯列異常、咬合状態、不良補綴物、プラークコントロール

歯周病細菌検査の流れ

検査部位を防湿
Step1

検査部位(深いポケット)の周りを簡易防湿

検体を採取
Step2

歯周ポケット内から検体を採取します。

検体輸送容器に入れる
Step3

検体輸送容器に入れます。

検査結果
Step4

検査会社に郵送し、2週間前後で検査結果がでます。

細菌検査で調べる歯周病原細菌

細菌検査を行い、病原性の強い細菌種が総細菌数に対してどの程度の割合を占めるのかを解析することで、歯周炎の活動性や感受性を評価することができます。

歯周病を治療していく上で重要な細菌は下記に挙げる5菌種と言われています。

  • Porphynomonas gingivalis(P.g菌)
  • Treponema denticola(T.d菌)
  • Tannerella forsythensis(T.f菌)
  • Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a菌)
  • Prevotella intermedia(P.i菌)

これらの中で特にRed Complexと呼ばれているPorphynomonas.gingivalis / Treponema.denticola / Tannerella.forsythensisが重度の歯周病に影響があると言われています。

歯周病原細菌

Red Complexとは?

口腔内には800種を超える細菌が生息しているといわれており、歯周病はその中の十数種の細菌による感染症と考えられています。いずれの菌も、歯周ポケットが深くなることにより、ポケット内の酸素分圧が減少し、低~無酸素状態となった嫌気的環境下での生育を好みます。

この中で最も歯周病原性が高いのがRed Complexです。

最新の細菌検査法を用いた報告でも、おおむね重篤な歯周病と最もよく関連して検出される細菌種はRed Complexであり、これら〝要注意〟3菌種は歯周細菌検査のターゲットとなっています。

3菌種の中でもP.gingivalisが特に歯周病源性が高いとされ、歯周治療後の歯周状態の改善と、歯肉縁下プラーク中のP.gingivalis菌数の大幅な減少には明らかな相関があるとされています。

また、Red Complexの細菌種は、互いの病原性を高め合う性質をもっていると考えられています。

Porphynomonas gingivalis(P.g菌) ※ Red Complex

P,gingivaliには、6つの異なる遺伝子を持った遺伝子型が存在し、その型によって歯周組織を破壊する能力に違いがあります。中でも最も歯周病原性が高いのがⅡ型です。歯周病原性の高いP.gingivalisが、歯肉縁下細菌叢の中に存在するか否かを検査することにより、若年者の歯周病発症の将来リスクが予測できるとともに、歯周病患者の歯周炎が深刻なものであるか、それとも多量のプラークの蓄積による不潔性歯周炎であるかを評価できる可能性があります。

Treponema denticola(T.d菌) ※ Red Complex

慢性歯周炎病巣から高頻度で検出されます。

Tannerella forsythensis(T.f菌) ※ Red Complex

慢性及び侵襲性歯周炎の病巣からの検出率が高く、難治性歯周炎の原因菌として注目されています。

Actinobacillus actinomycetemcomitans(A.a菌)

侵襲性歯周炎に関与。
侵襲性歯周炎は、10〜30歳代で発症することが多く、急速な歯周組織破壊が起こる。一般的にプラーク付着量が少ない。また、感染因子への抵抗力の低下が見られます。

Prevotella intermedia(P.i菌)

妊娠性歯肉炎、壊死性潰瘍性歯周炎に関与。
壊死性潰瘍性歯周炎は、歯肉壊死と潰瘍形成を特徴とし、激しい痛みを感じる疾患です。

歯周病細菌検査結果の判定基準

検査結果を元に将来を見据えた治療計画をご提案します。

細菌種 菌数 対総菌数比率
P.gingivalis >102 >0.5%
T.denticola >0.5%
T.forsythia >1.0%
A.actinomycetemcomitance >103 >0.01%
P.intermedia >2.5%

まずは初診カウンセリングへ

当院はカウンセリング後に治療計画へご同意いただいてはじめて治療を開始します。
初めての方でも安心していただけるように30分から60分の長めのカウンセリング時間を設けておりますので、ご不安・ご不明な点についてまずはお気軽にご相談ください。

カウンセリング予約から治療までの流れ

カウンセリング予約

keyboard_arrow_up TOP