GBR(骨再生誘導法)

GBR(骨再生誘導法)とはどんな治療?

健康な歯の正面・断面図

GBRは、失われた顎の骨を再生させる再生療法です。人工骨や自家骨などの骨補填剤を欠損部に入れ、専用のメンブレン(人工膜)で覆うことで、骨細胞が再生しやすい環境をつくります。メンブレンは軟組織の侵入を防ぎ、骨だけが安定して再生されるようにコントロールします。特にインプラント治療の前処置として広く用いられており、「骨が足りない」と診断された方でも、GBRを行うことでインプラント治療が可能になるケースが多くあります。

GBR(Guided Bone Regeneration)の意味と役割

GBRは「Guided Bone Regeneration」の略で、「骨再生を誘導する治療」を意味します。この治療の最大の目的は、骨の再生が必要な部分において、再生すべき細胞(骨芽細胞)だけを誘導し、それ以外の細胞(歯肉などの軟組織)が侵入しないようにすることです。専用のメンブレンを用いて人工骨を覆い、骨が安定して再生するまで数ヶ月かけて経過を見ます。特にインプラントを計画している患者さまにとって、十分な骨量を確保することは成功率を高めるうえで非常に重要です。

顎の骨がなくなる原因

顎の骨は歯を失うと急速に吸収される傾向があります。特に歯周病や抜歯後の放置が原因で、骨の量が年単位で減少していきます。また、入れ歯を長期間使っている方では、入れ歯の圧力によって顎の骨が痩せてしまうことも。さらに、外傷や事故によって骨が失われるケースや、生まれつき骨の形状や量に問題がある場合もあります。骨が不足している状態ではインプラント治療ができないため、骨再生を目的としたGBRなどの治療が必要になります。

GBRの流れ

✔️骨を補う

健康な歯の正面・断面図

骨が足りない部分に人工骨や自家骨を詰めます。
骨が痩せている部分に、骨の再生を促すための材料(骨補填剤)を慎重に入れていきます。患者さまの状態に応じて、人工の骨、自分の骨、またはその両方を使います。

✔️膜で覆う

健康な歯の正面・断面図

骨の再生スペースを確保するために、特殊な膜で覆います。
骨が再生するための空間を確保し、歯ぐきが入り込んでくるのを防ぐために、「メンブレン」と呼ばれる専用の膜で骨補填剤をカバーします。この膜は治癒の過程で吸収されるタイプと、取り除くタイプがあります。

✔️骨の再生を待つ

健康な歯の正面・断面図

膜の下でゆっくりと骨が再生されていきます。
骨補填剤が徐々に自分の骨と結合していくのを待ちます。一般的には3〜6ヶ月ほどかけて骨ができあがり、インプラント治療などが可能な状態になります。

GBRのメリット

GBRの最大のメリットは、顎の骨が足りない状態でもインプラント治療が可能になる点です。骨が再生することでインプラントの固定が安定し、長期的な使用にも耐えうる口腔環境を整えることができます。見た目の面でも、歯ぐきの形が自然に仕上がるため、審美性を重視する方にとっても大きな利点です。また、再生された骨は自分の骨と融合し、自然な噛み心地を実現します。将来的な骨吸収を防ぐことにもつながり、予防的な意味合いも強い治療です。

GBRのデメリット

GBRは高度な技術を要する外科処置であり、患者さまの体調や骨の状態によっては適応できないこともあります。また、術後には腫れや痛みが数日続くことがあり、術後管理や口腔内の清潔保持が重要です。さらに、骨が再生するまでには数ヶ月かかるため、インプラント治療全体の期間が長くなります。治療は自由診療となるため、費用面での負担も発生します。これらの点をしっかりと把握し、担当医と相談しながら治療計画を立てることが大切です。

GBR法による治療の症例

当院では、骨が足りずにインプラント治療を断念された患者さまに対して、GBR法を用いて骨を再生させた実績が多数あります。

全顎インプラントの治療例①(施術前)
全顎インプラントの治療例①(施術後)

GBRを用いた症例はこちら

骨増生

GBR技術料 ¥220,000
サイナスリフト技術料 ¥220,000

施術の副作用(リスク)
手術・麻酔・抜歯を伴う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみ、神経麻痺、血管損傷を生じる事があります。
セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。
人工歯・土台が外れたり欠けたりする事があります。

GBRに関するよくある質問

Q

GBRは痛みがありますか?

A

GBR治療中は局所麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。術後は一時的な腫れや鈍痛がありますが、処方薬で対応可能です。

Q

GBRで骨が再生するまでどれくらいかかりますか?

A

一般的にインプラントの成功率は上顎で92~94%、下顎で95~98%GBR後の骨再生には通常4〜6ヶ月程度かかります。その間に骨がしっかりと固まり、インプラントを安全に埋入できる状態になります。骨の状態によって期間は前後しますが、精密な診断で適切な治療計画を立てます。

Q

GBR治療に保険は適用されますか?

A

GBR治療は基本的に保険適用外(自由診療)ですが、費用は医院によって異なります。当院では事前に治療内容と費用を詳しくご説明し、安心して治療を受けていただけるよう配慮しています。費用相談もお気軽にどうぞ。

Q

GBRとサイナスリフトの違いはなんですか?

A

GBRは顎の骨の厚みが足りない部位に行う骨再生治療です。一方サイナスリフトは、上顎の奥歯の骨が薄い場合に、副鼻腔を持ち上げて骨を増やす治療です。いずれもインプラントの土台づくりに欠かせません。

Q

GBRとGTRの違いはなんですか?

A

GBRはインプラント治療前の骨再生に用いられるのに対し、GTR(歯周組織再生誘導法)は歯周病で失った歯ぐきや歯根膜などの再生に使われます。目的と再生対象が異なるため、治療法の選択には専門的な診断が必要です。

まずは初診カウンセリングへ

当院はカウンセリング後に治療計画へご同意いただいてはじめて治療を開始します。
初めての方でも安心していただけるように30分から60分の長めのカウンセリング時間を設けておりますので、ご不安・ご不明な点についてまずはお気軽にご相談ください。

カウンセリング予約から治療までの流れ

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