サイナスリフト(上顎洞底挙上術)

サイナスリフトとはどんな治療?

サイナスリフト治療の説明画像

サイナスリフトは、インプラントを入れるために骨を増やす手術です。
上あごの奥には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があります。歯を失って時間がたつと、この空洞の近くの骨がだんだん薄くなっていき、インプラントをしっかり支えることができなくなります。
そこで、上顎洞の底を少し押し上げて、そのすき間に人工の骨などを入れて骨を作るのがサイナスリフトです。
この手術を行うことで、骨が足りない方でもインプラント治療ができるようになります

サイナスリフト(Sinus Lift)の意味と役割

サイナスリフトは、骨が足りない人でもインプラントができるようにするためのサポート治療です。
奥歯を失って時間がたつと、あごの骨がやせて、インプラントを支えられなくなることがあります。そこでサイナスリフトを行い、上顎洞(じょうがくどう)の下に人工の骨を入れて、骨の厚みを増やします。
この治療によって、インプラントをしっかり固定できる土台がつくられ、長く使える状態に近づけることができます

上顎の骨が不足する原因

上顎の骨が不足する主な原因には、以下のようなものがあります。

長期間歯がない状態が続いた:歯を失った状態が続くと、顎の骨は刺激を失い、徐々に吸収されてしまいます。
加齢や歯周病による骨吸収:年齢とともに、または重度の歯周病の影響で骨が薄くなることがあります。
生まれつき骨の厚みが少ない:個人差により、もともと上顎の骨が薄い方もいます。

サイナスリフトの流れ

1. 歯茎を切開し、上顎洞に穴をあける

まず局所麻酔を行い、上顎の歯茎を切開して骨にアプローチします。その後、上顎洞へ通じる部分の骨に小さな穴を開けます。

2. 骨補填材を入れる

開けた穴から、上顎洞の粘膜(シュナイダー膜)を慎重に持ち上げ、その下に骨補填材(人工骨や自家骨など)を充填します。この工程により、将来的にインプラントが埋入可能なだけの骨の高さを作り出します。

3. 歯茎を縫合する

骨補填材をしっかりと詰め終わったら、切開した歯茎を縫合して処置は終了です。その後、骨がしっかりと形成されるまで数ヶ月の治癒期間を置きます。

サイナスリフトのメリット

インプラント治療が可能になる:骨の厚みが足りない方でもインプラント治療ができるようになります。

噛む力を回復できる:しっかりと骨が形成されるため、インプラントが安定し、自然な噛み心地を得られます。

見た目も自然に仕上がる:骨造成によって歯茎のラインも整いやすく、審美的にも優れた仕上がりになります。

サイナスリフトのデメリット

治療期間が長くなる:骨が形成されるまで数ヶ月かかるため、すぐにインプラントを入れることはできません。

手術に対する身体的負担:外科手術であるため、腫れや痛み、内出血などのダウンタイムが発生します。

費用がかさむ:保険適用外となるケースが多く、治療費が高額になる傾向があります。

サイナスリフトによる治療の症例

全顎インプラントの治療例①

30代女性。
全顎的な治療を希望し来院されました。初期治療終了後、矯正治療を行い、サイナスリフト、GBRを行いました。オールセラミックス、PFMを使用しています。治療期間は4年です。

全顎インプラントの治療例①(施術前)
全顎インプラントの治療例①(施術後)

施術名:全顎インプラント埋入
施術の内容:インプラント埋入 + サイナスリフト + GBR + 矯正
施術の副作用(リスク):手術・麻酔・抜歯を伴う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみ、神経麻痺、血管損傷を生じる事があります。
セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。
人工歯・土台が外れたり欠けたりする事があります。
施術の価格:¥4,821,500

全顎インプラントの治療例②

50代女性。
上下入れ歯を使用していたが発音障害と審美障害を主訴として来院されました。上顎にはサイナスリフトを行い、インプラントを8本埋入、下顎には同じくインプラントを6本を埋入し、機能的、審美的回復を達成しました。PFMブリッジを使用しています。治療期間は12カ月です。

全顎インプラントの治療例②(施術前)
全顎インプラントの治療例②(施術後)

施術名:全顎インプラント埋入
施術の内容:インプラント埋入 + サイナスリフト
施術の副作用(リスク):手術・麻酔・抜歯を伴う場合は疼痛、咬合時痛、冷水痛、腫脹、出血、むくみ、神経麻痺、血管損傷を生じる事があります。
セラミック・仮歯が欠けたり、外れる事があります。
人工歯・土台が外れたり欠けたりする事があります。
施術の価格:¥7,804,600

サイナスリフトに関するよくある質問

Q

サイナスリフトは痛みがありますか?

A

手術中は局所麻酔を行うため、痛みはほとんど感じません。術後に腫れや鈍い痛みが出ることがありますが、痛み止めで十分にコントロールできるケースが多いです。

Q

サイナスリフトの治療期間はどれくらいですか?

A

骨が安定するまでには一般的に4〜6ヶ月程度の治癒期間が必要です。その後にインプラント埋入を行うため、トータルでの治療期間は6〜10ヶ月ほどかかることがあります。

Q

サイナスリフトは保険適用されますか?

A

基本的にサイナスリフトは自由診療(自費治療)となり、保険は適用されません。ただし、重度の先天性疾患や事故による欠損の場合は例外があることもありますので、歯科医院にご相談ください。

Q

サイナスリフトとソケットリフトの違いはなんですか?

A

ソケットリフトは、サイナスリフトよりも簡易的な方法で、インプラント埋入と同時に行われることが多いです。骨の不足が軽度である場合に適応され、サイナスリフトはより広範囲な骨造成が必要なケースに用いられます

Q

サイナスリフトとGBRの違いはなんですか?

A

GBR(骨誘導再生法)は、骨が水平的に不足している場合などに、メンブレン(保護膜)を使って骨の再生を促す方法です。サイナスリフトは主に垂直的に骨が足りない上顎奥歯の部位に対して行われるため、適応部位や目的が異なります。

まずは初診カウンセリングへ

当院はカウンセリング後に治療計画へご同意いただいてはじめて治療を開始します。
初めての方でも安心していただけるように30分から60分の長めのカウンセリング時間を設けておりますので、ご不安・ご不明な点についてまずはお気軽にご相談ください。

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